説明
: 本作長広は美濃千手院。美濃千手院は、大和千手院派の国長が、南北朝期に美濃国不破郡赤坂に移住し一派は室町中期まで続いた。「千手院」「濃州千手院」と銘を切る者もいる。作風は大和伝系を踏襲した美濃物。長広は寛正(1460-1465)から文明(1469-1486)にかけての初代、二代(文亀1501-1504頃)、三代(大永1521-1527頃)あり、本作二字銘長広で代別は判然としないが、地場の作風と片筋違鑢と刃上り栗尻の茎から美濃千手院長広。刃長2尺4寸1分で切先が延び、身幅重ね十分、反りが付いた豪壮な姿。2011年保存刀剣審査合格。華やかな金虫食塗鞘打刀拵が附されている。