説明
: 法城寺正弘(初代)は生国但馬。その遠祖は貞宗三哲のひとり法城寺国光という。一門の正照、貞国、国正、国吉などと共に江戸に移って江戸法城寺一派を成した。一派の刀工はみな橘姓を名乗る。正弘はその代表鍛冶であり最も上手。正弘は家長として、江戸石堂一派とも姻戚関係を結ぶなどして権勢を拡大。京で伊賀守金道を家長とした三品一派が朝廷に仕えて、任官の手続きを一手に引き受けたと同じく、江戸では法城寺正弘家が幕府に対するあらゆる鍛冶関係の業務を許された。本作正弘(二代)も初代に作風、技量が伯仲した上作刀工。銘の切り方から初二代の代別が可能で、本作は底銘ながら「城」の銘振りから二代と判断出来る。なお二代は水戸光圀公(寛永五年-元禄十三年)に抱えられたと伝わる。本作は、直刃調互の目乱れを交え沸匂深く、同工の作風をよく示している。2024年保存刀剣審査合格。