説明
: 元興入道松軒は、文化十四年(1817)生まれ。水心子正秀門人で後藩命により薩摩に行き元平門人になって元興と改めた初代元興(角大八)の孫、二代元興(角大助松軒秀国)。父早世(初代が亡くなる5年前の文政二年1819)の為初代孫の大助が元興を襲名して角家を相続した。鍛刀の技は会津四代中条道辰門人となり修行。のち安政六年(1859)会津候からの預かり弟子として江戸において石堂運寿是一に就いて学び大いに技量が上がる。同年八月入道して「松軒」と号し、慶応二年(1866)大和守を受領、「秀国」に改銘した。出来に不出来がない幕末の名工。明治二十四年(1891)80歳没。本作は文久二年(1862)松軒元興43歳、石堂運寿是一に劣らない備前伝の丁子乱れ。元孔下の大きな目釘孔は幕末の突兵拵に納められた為であろう。2023年特別保存刀剣審査合格。