説明
: 怪奇な風貌で口横一文字に植物を咥える姿は神農。神農は古代中国に伝承する医療と農耕を司る神。百草を噛んで毒草を見極め薬草を発見したという。また五穀を栽培する知識を民衆に伝え長く信仰の対象とされた。極めの徳乗は後藤宗家五代目の名工。四代光乗の嫡男。天文十九年(1550)生、寛永八年(1631)81歳没。天正九年信長より大判役・分銅役を命じられ、徳乗の代より鑑定折紙が発行された。本作は、松樹と落雁を左右に置いた格調高い神農図小柄。赤銅魚子地の擦れが時代をあらわし、裏割継金が品位を伝えている。2013年特別保存刀装具審査合格。