銘
: (金花押)臣原田成祐謹佩 安政戊午之夏 以那珂湊砂鉄刀工 近則鍛恭世謹鐫
寸法
: 縦: 8.3cm 横: 8.0cm 切羽台厚さ: 0.4cm
説明
: 本作は第64回平成30年(2018)指定重要刀装具の烈公揮毫図大小鐔。日野松庵先生箱書き有り(昭和35・1960年)。以下図譜補足説明「水戸藩では幕末期、徳川斉昭、号を烈公という類い稀なる優れた藩主に恵まれた。本鐔はその水戸藩の幕末の歴史を窺う事の出来る作品である。那珂港沙鉄(現茨城県ひたちなか市砂鉄)を使用し、刀工近則(水戸住関善定家近則)にこれを鍛えさせ、烈公が揮毫した文字を鋤出し、鉄の重みと質感を醸し出し、見事な出来を誇っている。原田成祐(しげすけ)は、烈公腹心の家臣であり(尊王志士に影響を与えた藤田東湖と密接な交流をしていた)、斉昭の藩政改革に腕を振るった人物。身近な金属である鉄が、鐔としての十分な完成度に達し、かつ幕末の水戸藩の歴史を物語っており、鐔としても歴史的資料としても極めて重要な作品である」。揮毫の漢詩については、楠正行(まさつら・正成子)が戦に赴く辞世の句と言われているが未確認。お分かりの方よりご教示頂きたい。:縦8.3cm/横8.0cm/切羽台厚さ0.4cm 小:縦7.4cm/横6.9cm/切羽台厚さ0.4cm