説明
: 手柄山正繁は二代手柄山氏繁の次男として宝暦十年(1760)播州姫路生まれ。兄の新兵衛氏繁が早世したのでその跡を継いで「氏重」または「氏繁」と銘する。播州姫路手柄山の麓に住したことから手柄山を称す。天明年間に大阪で鍛刀、同八年(1788)白河楽翁(陸奥国白川藩三代藩主松平定信・寛政の改革を推進した中心人物で幕府老中・八代将軍吉宗孫)に抱えられ同年江戸に移住し鍛刀する。享和三年(1803)甲斐守を受領。文政十三年(1830)70歳没。本作は華やかな刃文が多い同工のめずらしい直調刃文。保存状態の良い端正な茎仕立てと昭和26年千葉県登録証より伝来が窺われる。黒蠟塗鞘打刀拵付き。2024年12月審査で保存刀剣合格。