説明
: 本作は「和泉守国貞」(二代)と特別保存刀剣鑑定書にあるように井上真改。銘字は鏨が強く鮮明で、「泉」の第三画の縦棒が角がかる点や「守」の第二画が真直ぐ下に刻される特徴からわかる。老いた初代に代わって真改が鍛えたいわゆる真改国貞の刀。井上真改は寛永八年(1631)初代和泉守国貞(親国貞)の次男として生まれ、初銘を父と同じく国貞と切り慶安三年(1650)21歳頃には父の代作代銘を盛んにおこなった。父没年の承応元年(1652)和泉守を受領。寛文十二年(1672)八月より真改に改める。天和二年(1682)急逝53歳。助廣とともに大阪新刀の双璧とされる最上作・大業物刀工。本作は、刀工辞典新刀編所載の萬治年間(1658-1661)と記載された「和泉守國貞」に銘が酷似する同工30歳頃の作。才気溢れる真改国貞の優作。寒山先生の鞘書ある古鞘付き。