説明
: 尾張国は美濃国と接して、室町末期に飛騨守氏房、相模守正常、伯耆守信高ら多くの美濃の優工が尾張に移住した。豊後守正全(まさやす)もそのひとり。本国美濃関で名古屋城下に住み、寛文四年(1664)豊後大掾をのち豊後守を受領した。本作は、鎬造り庵棟、身幅広く重ね厚く反りを控えた洗練味ある姿。鍛えは小板目流れ地沸付く。刃文は直焼出しを伴う互の目丁子乱れ、尖り気味の刃、角張る刃、片落ち互の目等変化に富む。堂々と豊後守源正全と銘を刻す生茎の状態も良好。地刃共に健全で出来が良い。2001年特別保存刀剣審査合格。黒蠟虫食塗鞘脇指拵が付されている。