寸法
: 縦: 7.2cm 横: 7.0cm 切羽台厚さ: 0.3cm
説明
: 明珍派は甲冑師として古くから知られ、鉄の鍛錬と加工に優れた技術を有する一派。江戸時代には甲冑の製作に加えて鐔などの刀装具も手掛け、明治時代に至ってもその伝統的な技術が受け継がれた。 作者の明珍宗吉は、江戸の明珍宗保に師事した出羽国庄内住の鐔工。師匠の明珍宗保は信家写しの亀甲文や小透鐔があり一乗との合作がある。 本作は、明珍紀宗吉による明治五年(1872年)の年紀作。落ち着いた色調の鉄地を撫角形に仕立て、上部に月を小透かしし、その下に雲に見立てた一筋の彫を入れる。左右の櫃孔は二階菱形に仕立て、下方には左右対称に松を透し、切羽台を絶妙な薄肉彫で肉置きする。 明治五年は明治九年の廃刀令公布前にあたり、鐔の需要が大きく変化した時期。本作は、師明珍宗保に倣った鉄鐔の意匠を端正に表現した明治五年紀がある貴重な鐔。