説明
: 二代包貞は初代越後守包貞に学び、その跡目を継ぎ、初め越後守包貞を名乗っていたが、初代の実子が成人すると、越後守包貞の名を譲り、自らは坂倉権之進照包と銘した(延宝八年1680)。作風は助廣に倣った濤乱や互の目乱れなど多いが、稀に大湾れや直刃の作も見られ、そのいずれの作柄でも、匂が深く沸のよく付いた、匂口が明るい出来となる。本作は均整が取れた2尺4寸6分半の長寸。鍛が精良で優れ、二代包貞の得意とした濤乱風の大互の目乱れ。匂口が明るく冴えて焼刃に矢筈風の刃や、片山乱れと称する同工独特の刃形が見られ、飛焼き状の玉を焼く。二代越後守包貞の優品である。寛文九年(1669)の年紀貴重。上等な黒呂磯草塗鞘打刀拵が付されている。2024年特別保存刀剣審査合格。