説明
: 寒山と拾得は、天台山国清寺に住み、豊干(ぶかん)禅師に師事したといわれる唐代の伝説上の人物。奇行が多く、文殊・普賢の化身と称された。その飄逸な姿を組み合わせて、禅僧たちの間で好まれた画題。本作は寒山のみをあらわした四分一地小柄。浜野派と極められた特別貴重小道具認定書付き。浜野派は奈良利寿(としなが)門人の浜野政随(1696-1769)が祖。名人政随は江戸神田に開業して多くの門弟を養成し有名な金工を多数輩出。浜野派は幕末まで諸金工に大きな影響を与えた。奈良派や横谷派が後藤系であったことから優美さに力点が置かれたのに対し、浜野家の特徴は江戸好みの豪放な高肉彫の和漢人物など大模様を描きこれに松竹梅などの樹木を配した大らかな作が多い。