説明
: 本作は、上総介兼重が納められた海軍士官用指揮刀。本来刀身は小烏丸造り鉄製クローム鍍金の近代指揮刀であるが本作には江戸新刀の真剣、しかも位の高い兼重を納める。由緒ある軍人が帯びていたに違いない。刀身の上総介兼重は初代兼重(和泉守兼重)の子。三代康継、法城寺正照との合作があり、冴えた地刃は相弟子と伝えられる虎徹に作風が似る。本作は地沸が厚く付いた小板目鍛えに匂口の深い焼頭が揃う角張る互の目の優作。2㎝程磨上られて海軍士官指揮刀拵に納められた戦争の遺産。後世に伝えたい希少品。2025年3月審査で特別保存刀剣合格。