説明
: 本作は平成16年(2004年・第50回)指定重要刀剣。太刀 国分寺助国(佩表目釘孔下に「備州国分」と大振りの銘があり以下を磨上)。国分寺助国は鎌倉時代末期(嘉暦-元徳1326-1331頃)、「備州」と在国を切る備後国の刀工。「(以下重要図譜引用)この太刀は、身幅が広めで、元先の幅差があまり目立たず、磨上ながらも踏ん張りごころをとどめて、反り高く、腰反りの付いた雄渾な太刀姿を呈している。鍛は板目に杢・流れ肌が交じり、所々強く流れて柾が掛かり、肌立ち、地沸微塵に付き、白け映りが立ち、刃文は直刃基調に互の目・小丁子・小互の目・角張る刃・小乱れの刃等が交じり、総体に逆掛かり、足・葉・逆足が入り、小沸がよく付き、金筋・砂流しが掛かるなどの出来をあらわしている。直刃仕立ての刃取りに互の目・小丁子・小互の目等多種の刃を交えて賑やかとなり、さらに足・葉が繁く入って刃中に変化が見られ、また逆がかって、逆足を交える様は、元徳元年紀の助国の太刀(重要美術品)に相通じるものがあり、特筆される。平肉が豊かで、出来がよく、加えて地刃共に健全な一口であり、助国の作域を知るうえで資料的にも価値が高い」。研ぎの名人と謳われる平井千葉師(人間国宝本阿弥日洲研師の実父)の鞘書(昭和11年・1936)も貴重。