説明
: 本作は勝村正勝二代。初代正勝は十歳で勝村徳勝に入門。十六歳で師の徳勝と共に江戸に上り、細川正義、ついで固山宗次、さらに石堂是一に学ぶ。師徳勝の次女婿となり勝村姓に改め、明治二年(1869)水戸藩工となる。大正三年(1914)没。二代正勝は初代正勝の子。明治14年(1881)水戸に生まれ、水戸で鍛刀する。作風は家伝の大和伝柾目鍛えに直刃、小互の目を焼く。陸軍受命刀工。昭和22年(1947)没。本作は祝差し。「祝差し」は五歳になった武家の男児が、七五三の祝いに差す刀。「稚児差し」ともいう。刀身や拵を縮小したもので、定紋や縁起のいい図を外装にあらわす。鎺は銀無垢で水戸金工の北川北仙(二代目)在銘。得難い作。